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「矯正治療のあと、歯茎が下がってしまった気がする…」「前はなかったすき間が目立って気になる」
矯正治療の後に、このようなお悩みを抱える方は少なくありません。
実は、矯正治療を行ったあとに歯茎が下がって見えることがあります。歯の移動によって歯茎の位置が変わったり、ブラッシングしにくい部分に炎症が起きたりすることで、歯ぐきが後退することがあるのです。
歯茎が下がると、見た目の問題だけでなく「ブラックトライアングル(歯と歯の隙間)」が目立ったり、根元が露出して虫歯や知覚過敏のリスクが高まったりすることもあります。
このページでは、矯正後に歯茎が下がる原因や起こりやすいケース、放置するリスク、そして対処法や予防策について詳しく解説します。さらに、見た目の悩みを改善するダイレクトボンディングという治療方法についてもご紹介しています。
東京都世田谷区の下高井戸デンタルオフィスでは、矯正治療後の歯茎下がりにお困りの患者様に、精密なダイレクトボンディングを行っています。適応の見極めと治療精度にこだわり、できるだけ審美的で将来のトラブルにつながりにくい治療を行います。精度の高い診療によるダイレクトボンディングをご希望の方は、ぜひ当院にご相談ください。

Contents
矯正治療で歯茎が下がることはある?
歯肉が退縮する直接のきっかけは適切な口腔ケアができていないことにあります。ですが同じケアの仕方でも歯茎が大きく下がってしまう人とそうでない人がいます。これは歯茎の下がりやすさが人によって大きく違うことが原因です。実は歯茎のさがりやすさを左右する要素の一つに矯正治療の経験の有無があります。
矯正すると歯茎が下がりやすい?
矯正治療は矯正治療は歯肉退縮のリスクであると言われており、矯正の経験がある人は、矯正治療を受けていない人に比べておよそ4倍も歯肉退縮がおきやすいという報告があります。※1

これは国際的なガイドラインにも明記されていてグローバルスタンダードな考え方です。※2
その理由は大きく以下の3点にあると考えられます。
- 歯に強い力がかかると歯の周りの組織で炎症が起きる
- マウスピースやワイヤーを長時間歯につけるため汚れが溜まりやすく歯茎に炎症が起きやすい
- 歯を動かす方向によっては相対的に歯茎や骨の厚みが減ってしまう
こうした要素が組み合わさった結果、矯正治療を受けると歯茎が下がりやすくなります。
このケースは矯正治療前にあった歯肉退縮が矯正治療終了後に進行したケースです。もともと歯肉退のリスクが高い患者様だったので歯茎が下がった場合は根面被覆する計画を立てて治療しました
歯肉退縮を防ぐ方法
適切な口腔ケアをできるようにする。
適切な口腔ケアには歯ブラシの選び方、当てる向きや力、フロスや歯間ブラシの活用など専門的な知識とテクニックが必要です。経験上、自分では正しくケアできていると思っていても実は誤った方法でケアをしている方がほとんどだと感じています。かかりつけの歯科医院で歯科衛生士に教えてもらい、正しく自分の口をケアできるようにしていきましょう。
歯肉の厚みを増やす手術をしておく
歯茎や骨の厚みが薄い部分では歯肉退縮が起こるリスクが高いことが知られています。歯茎の厚みが薄い部分の矯正治療を計画している場合など、リスクが非常に高いと判断される場合は予防的に歯肉の厚みを増やす手術をしておくという選択肢もあります。※3
詳しくはこちらをご覧ください。>>歯周外科的治療 根面被覆
矯正装置が歯茎に与える影響
ワイヤー矯正の場合は特に、歯に装置を接着する都合上、どうしても汚れが溜まりやすく虫歯や歯周病を引き起こしてしまいます。

その状態が2〜3年続くのですから矯正が終わる頃には虫歯や歯周病で大変なことになっていたという例も少なくありません。矯正治療中でもしっかりと定期的なメンテナンスを受けられることをお勧めします。
矯正中に歯茎が下がるリスクが高いケースとは
①下顎の前歯の叢生 三角形の長い歯はブラックトライアングルが出現しやすい

これは厳密には歯茎が下がっているわけではありません。
ですがよくあるパターンなのでご紹介します。前歯において歯並びが乱れている場合に矯正治療を行うと歯の形によってブラックトライアングルが目立つことがあります。
四角形で短い歯であればブラックトライアングルは目立ちません。しかし三角形の長い歯だと隙間が大きく目立ちます。
②歯の移動量が大きいケース

歯の移動量が大きいケースでは歯肉退縮のリスクが高いとされています。特に歯を外側に動かす場合、よく計画して動かさないと歯が歯を支える骨からはみ出してしまうことがあります。
すると骨は吸収し、それに合わせて歯茎もなくなってしまいます。矯正治療では事前の計画が非常に重要なのです。
③もともと歯茎や歯槽骨が薄いケース
同じだけの歯の移動量であっても骨や歯茎の厚みによって歯肉退縮しやすさは大きく変わります。

残念ながら日本人は特に骨や歯肉が薄いとされていて多くの方がリスクが高い状態です。
一つの基準として歯肉の厚さが1mm以上あるかどうかという点があります。
1mm以下の厚さの歯肉では歯周ポケットに挿入した器具が透けて見えます。

こういった方は将来的にさらに歯肉が下がってしまうリスクが高いため、根面被覆で歯肉の厚みを増やすことが理想的です。
④歯周病がある方や矯正中に歯周病になったケース
歯周病は歯を支える骨が吸収してしまう病気です。歯周病がある方の矯正や矯正中に歯周病になってしまったケースでは歯を支える骨の高さが下がるため、後天的に③の例のように骨が薄くなってしまいます。
ですから歯周病のある人は矯正前に歯周病の治療を済ませること、矯正中は特に歯周病や虫歯にならないようにお口の中を清潔に保つことが大切です。
⑤矯正装置が適合していないケース(特にマウスピース型装置)
マウスピースなど矯正装置がうまく適合していない場合、装置の一部が歯茎に食い込んだり傷を作ったりします。その状態が長期間続くと歯肉退縮を引き起こす継続的な刺激になってしまうというケースが多数報告されています。
矯正後に歯茎が下がってしまったときの対処法
ダイレクトボンディングで回復する方法

歯肉退縮の量が少ない場合は白い樹脂で歯の形を整えることで自然な見た目を回復する方法もあります。特にブラックトライアングルの治療には適していて、短期間での改善が見込めます。
下のような歯肉退縮に対しても治療の選択肢の一つとなります。

ダイレクトボンディングをすることで歯肉退縮による知覚過敏や歯根のえぐれを改善することができます。
見た目も白くする事ができるのである程度は馴染みますが、歯の縦横比は変更できないため不自然な印象になってしまう場合があります。また歯茎は薄いままなので退縮の進行を止めることはできません
ダイレクトボンディングについてはこちらの記事もご覧ください。
>>症例紹介:30歳 女性 矯正後のブラックトライアングルと虫歯をダイレクトボンディングで治療
歯周外科的治療 根面被覆
下がってしまった歯茎を元に戻す根面被覆術という手術があります。

自分の上顎から組織を採取して歯肉が下がった部位に移植します。歯茎の高さ、厚みが増えるため、歯肉退縮が根本的に改善するばかりでなく再発しづらい状態にすることができます。
根面被覆には様々な術式があります。そのうちの一つをご紹介します。まず移植する組織を上顎の裏側から採取します。その後、歯茎が下がっている部分とその周囲の歯肉をポケット状に剥がします。その内部に採取した組織を縫い付けて全体的に引っ張り上げながら固定します。

一見、大手術のように思えるかもしれませんが痛みは2、3日でおさまる場合がほとんどですし、傷自体も1ヶ月もすれば目立たないほどまで落ち着きます。
歯茎の高さ、厚さが改善するため、気になる歯肉退縮が根本的に改善するのに加えて歯肉退縮の再発リスクを抑える事も期待できます。
矯正中に歯茎が下がらないようにするための予防策
矯正中のセルフケアについて
矯正中であっても歯肉退縮を回避するために必要なことは変わりません。ですがマウスピースや矯正装置によって口の中が汚れやすい状態である点には注意が必要です。
常に清潔な状態を保てるように食事の後には歯を磨くこと、逆に意識しすぎて歯肉にダメージを与えるような磨き方をしないことが重要です。
ワイヤー矯正では歯に装置を接着する都合上、ブラシが当たりにくい場所ができてしまいます。それを回避するために断面が凹形になっている歯ブラシなどもあります。

道具を揃えれば問題が全て解決するというわけではないですが試してみるのも一つかもしれません。
歯茎にやさしい矯正方法の選び方
マウスピース矯正とワイヤー矯正で歯肉の退縮しやすさに明らかな差は認められないという研究結果が2023年に報告されています。※4 どんな形であれ矯正治療をする以上、大なり小なり歯肉退縮のリスクがつきまといます。ですから治療前に矯正担当医と歯肉退縮のリスクの程度や起きてしまった場合の対処など相談しておくことが大切です。
当院の見解:歯茎が大きく下がる前の、早めの対応が大切です
初期の異変を見逃さず悪化させない
歯肉退縮の進行度は専門的にはCairoの分類のRT1〜RT3で分類されています。数字が大きくなるほど重症で治療が難しいとされています。裏を返せば歯肉退縮は軽度であるほど治療が成功しやすいと言えます。ですから定期的にメインテナンスを受けることで異変に素早く気付き、対応することが歯肉退縮を予防する上で非常に大切です。



矯正後の歯茎下がりを確実に防ぐことはできません
矯正治療は多かれ少なかれ歯肉退縮の進行を早めます。口元の見た目を改善するために矯正治療を受けたのであれば歯肉退縮を起こしてしまっては元も子もありません。完全に防ぐことはできないからこそ、費用と時間をかけた後で後悔しないために、歯肉退縮が起きてしまったらどう対応するかをあらかじめ矯正医と相談しておいたほうがいいでしょう。
まとめ:矯正後の歯茎下がり、諦めないでください
東京都世田谷区の下高井戸デンタルオフィスでは根面被覆やダイレクトボンディングで矯正治療後の歯茎下がりに対応する治療を積極的に行っています。
矯正治療前で歯茎が下がるかもしれないと指摘された方、矯正治療後に歯茎が下がってしまいお悩みの方。ぜひ一度ご相談ください。

※1 Gingival labial recessions in orthodontically treated and untreated individuals: a case – control study (Renkema, Anne Marie et.al. 2013)
※2 アメリカ歯周病学会 Journal of Periodontology https://aap.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/JPER.17-0733
※3 アメリカ歯周病学会 Journal of Periodontology https://aap.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/JPER.19-0577
※4 Assessment of the periodontal health status and gingival recession during orthodontic treatment with clear aligners and fixed appliances: A systematic review and meta-analysis (Marina Crego-Ruiz , Adrià Jorba-García , 2023)

