ROOT COVERAGE

症例紹介

40代男性 上顎前歯部
年齢 40代 治療方法 Modified Coronally Advanced Flap with CTG
性別 男性 通院回数 7回
主訴 歯肉退縮を治したい 費用

165,000円

治療のメリット 下がった歯茎を回復・歯肉の厚みを増す
治療のデメリット 術後、一時的にしみることがある。予定通り歯茎が回復しない場合もある
40代男性 下顎前歯部
年齢 40代 治療方法 根面被覆術
性別 男性 通院回数 8回(消毒を含む)
主訴 歯茎が下がって歯がしみる 費用

220,000円(税込)

治療のメリット 下がった歯ぐきをカバーできる
治療のデメリット 歯茎の状態によっては成功率が低くなる

根面被覆術とは

根面被覆術は自分の上顎から結合組織を退縮部に移植する手術です。簡単に言えば、歯肉の移植です。歯茎下がりを改善し、進行を抑制することができます。

歯肉退縮(歯ぐき下がり)の原因

強すぎるブラッシングや歯周病など継続的な歯ぐきへのダメージが原因で発生します。なりやすい体質や環境があるため、同程度のダメージでも人によって歯肉退縮の進行しやすさは大きく違います。自分のリスクを知っておくことがとても大切です。

詳しく記事にまとめておりますのでこちらもご覧ください。
コラム 歯茎から歯の根が見える原因

歯ぐきが下がる原因を解説した図。中央に歯肉退縮した歯の写真があり、左に強すぎる歯磨きや歯周病などの直接的な原因、右に歯ぐきや骨が薄い体質、矯正治療、不良な被せ物、磨き残し、歯の位置異常などの要因がイラストで示されている。

根面露出が及ぼす影響(知覚過敏・根面う蝕・見た目)

歯が長くなったような見た目になり、全体的に老けたような印象になります。
弱い歯根が露出するため、しみやすくなる他、虫歯になりやすくなったり磨耗しやすくなったりします。

詳しく記事にまとめておりますのでこちらもご覧ください。
コラム 歯茎から歯の根が見えることで起こるリスク

歯の断面構造を示した図。左はエナメル質・象牙質・神経の位置関係を説明し、右は歯茎が下がって象牙質が露出することで、しみる・えぐれる・虫歯になるリスクが高まる様子を示している。

ライフステージに応じた積極的な治療

現在高齢者の虫歯が増加しています。これは高齢でも歯がたくさん残っている方が増えていることが原因です。高齢者の虫歯は歯肉退縮で露出した歯根に広がることが多く、同時多発的に素早くすすむ場合もあります。入院や認知症の発症などで爆発的に進行する例が後を経たず、歯科界では大きな問題となっています。根本的に解決するには被せ物や根面被覆術で露出した歯根を覆うしかありません。

年代別に永久歯のむし歯を持つ人の割合を示した棒グラフ。子ども世代では年々むし歯が減少している一方、高齢者ではむし歯が増加している傾向が矢印で示されている。
高齢者の虫歯の原因を解説した図。中央に重度の虫歯や歯ぐきの退縮が見られる口腔内写真があり、左に歯ぐき下がりや治療の劣化、セルフケア低下などの要因、右に高血圧や糖尿病などの持病、加齢や薬の副作用による唾液減少が示されている。

根面被覆術が適用となるケース

歯ぐきが下がってきた

鏡を見て歯が長くなった、歯茎が下がってきた、歯と歯の隙間が大きくなった気がすると感じた場合、その原因が歯肉退縮であれば根面被覆で見た目を改善することができる可能性があります。

30代男性、短期間で加速度的に歯肉退縮が進行

冷たいものがしみる(知覚過敏)

虫歯でないのに冷たいものがしみる知覚過敏は本来、症状がなかなか改善しにくい疾患です。ですが根面被覆であれば原因となる歯根露出を根本から治療できるので症状の改善が見込めます。

根面う蝕(虫歯)のリスクがある・既に根面う蝕がある

露出した歯根は軟らかく、虫歯になりやすい部分です。年齢を重ねると唾液の減少なども重なり、あっという間に虫歯が口中に広がることもあります。虫歯が大きすぎる場合は根面被覆で対処することはできなくなりますがまだ虫歯になっていないうちや小さいうちであれば根面被覆で根面齲蝕を予防することができます。

矯正治療後に歯肉退縮が起きている

矯正治療を行うと歯茎が下がりやすくなることが知られています。矯正が原因の場合でも見た目や根面へのダメージのリスクはありますから根面被覆術で対応することが必要です。矯正治療前から歯茎がさがる可能性が特に高いとわかっている場合は、あらかじめ予防的に根面被覆術を行っておくこともあります。

当院の根面被覆術の特徴・強み

根面被覆術に関する受賞経験のあるドクターによる治療

院長瀧本将嗣は長年にわたって、歯周外科治療に力を入れて研鑽してまいりました。日本で一番大きな歯周病、歯周外科の勉強会であるJIADSや歯周組織再生療法及び歯周形成外科のスペシャリストのための勉強会IPRTに参加しております。特にIPRTにおいては第一回総会で根面被覆術の症例を発表し、初代Awardを受賞しております。

詳細はInstagramへ

低侵襲で痛みの少ない治療を実現する精密な手技

根面被覆術をはじめとする歯周形成外科は歯科の中でも活発に研究が進んでいる分野で、日夜新しい知見が生み出されています。院長瀧本将嗣は先述のJIADSやIPRTにおいて歯周外科の世界的な権威である先生方と意見を交換しながら研鑽を積んでおります。下高井戸デンタルオフィスではより負担が少なく効果的な治療のために、最新の術式や知見を積極的に取り入れて治療をしております。

術後用マウスピース(シーネ)で痛みを軽減し治癒を早める

下高井戸デンタルオフィスでは根面被覆術の前にオーダーメイドの術後用マウスピースを作成しています。術後、創部を圧迫して止血を促す効果があります。また、上顎の傷を保護することで痛みの軽減になるほか治癒を促進してくれます。シーネの有無で治癒の速さがかなり変わります。

根面被覆術の治療の流れ

歯周治療の流れを6段階で示した図。初診時の精密検査とカウンセリング、セルフケア指導と歯肉炎の改善、旧レジン除去と形態修正、術前クリーニングとマウスピース作成、手術、術後管理とメインテナンスの順に写真付きで説明している。

01初診カウンセリング・精密検査

下高井戸デンタルオフィスでは基本的にすぐに治療に移ることはなく、まず検査及びカウンセリングを行います。全ての問題点を洗い出した上で治療計画を立ててから治療を進めていくことを大切にしています。症例写真や資料を用いて基礎的な部分からご説明し、患者様に納得してもらってから治療を行うようにしています。

02セルフケア改善

歯肉退縮の原因の一つが誤ったセルフケア方法です。代表的なものは強い力での歯磨きで、セルフケアの改善が無いまま治療すると再発のリスクが高まってしまいます。原因を取り除いてから治療を進めていきます。

03歯肉の炎症改善

歯肉に炎症があると術後の治癒が悪くなってしまいます。炎症の原因は歯や歯根に付着した歯石や歯垢です。セルフケアだけでは取り除けない部分の歯石や歯垢をクリーニングしていきます。

04修復物の除去、形態修正

根面被覆術を行う歯に古い修復物があれば除去します。えぐれていれば虫歯を治療したり歯の形を修正して手術に備えます。

05術前クリーニング、術後用マウスピース作成

手術前に、より良い結果になるように再度徹底的にクリーニングを実施します。さらに術後用マウスピースの型取りをします。

06手術

手術は2〜3時間ほどで終了します。局所麻酔を使用して行うため術中痛みはありません。当日から数日は運動や入浴、飲酒などに一部制限がでます。

07術後管理・メンテナンス

術後は週に1回を目安に消毒をします。2回目で糸を取り約4回ほど行うのが一般的です。その後は定期的なメンテナンスに移行し、長期で管理していくことが理想的です。

治療期間・通院回数

初回の検査から消毒まで最低5回の通院回数となります。治療期間は初診から最短でおおよそ1ヶ月半ですただ、時間が経つほど歯茎の状態はよくなっていきます。(口腔状態によって回数、期間は変化します)

治療費用

治療費 4歯まで、1歯追加ごとに22,000円(税込)220,000MBi 薬剤(エムドゲイン・リグロス) 薬代・創部保護シーネ含む

よくある質問

Q. 全ての歯ぐきの下がり(歯肉退縮)に適用できますか?

根面被覆術を行うことは可能ですが、重症なケースでは期待したほど効果が得られない場合もあります。歯肉退縮は重症度によってRT1〜RT3に分類されています。数字が大きくなるほど退縮の範囲が広く、治療が難しいとされています。下の表では根面被覆術を行った結果、歯肉の高さがすっかり元通りになる完全根面被覆率を示しています。ようするに歯肉退縮は軽度であるほど治りやすいのです。しかしRT3の退縮であっても根面被覆術をする意味がないわけではありません。根面被覆術によってさらなる退縮の抑制やある程度の改善が期待できます。自分がどのタイプに当てはまるか判断するのは難しいですから是非一度ご相談ください。

Q. 手術はどのように行われるのですか?(採取・移植・縫合など)

上顎から組織を採取し歯肉退縮部の歯茎に縫いつけて移植します。その後下がった歯茎を元の位置に戻すために引っ張り上げながら傷を縫って閉じます。術後の痛みは数日で落ち着き、2週間ほどで糸を取り、1ヶ月後にはほぼ傷がなくなるという経過をたどる場合が多いです。

Q. 手術中・手術後は痛いですか/腫れますか?

手術は麻酔を使用して実施するため、手術中痛みはほとんどありません。手術後は痛みどめで痛みをコントロールしながら回復を待ちますが2〜3日で痛みは気にならなくなったという方が多いです。また上顎の組織を採取した部位を保護するマウスピースを作ります。傷はやや腫れぼったい感じが2週間から1ヶ月ほど続く場合がありますが、親知らずの抜歯のようにパンパンに腫れることはありません。

Q. 手術できない・適応外となるケースはありますか?

喫煙中の方、一部の全身疾患で治療中の方は歯肉の治癒能力が著しく低いため手術の対象外になることがあります。また、根面に深い虫歯やえぐれがある場合は手術ができません。また重度の歯周病の方は適応外となる場合があります。いずれにしても全身的に見て判断する必要がありますので、興味のある方は一度相談していただくのが良いと思います。

Q. 再び歯ぐきが下がる可能性はありますか?/再発しますか?

ブラッシングや食いしばりなど口腔内の環境によっては再び歯茎が下がる可能性はあります。しかし根面被覆術によって歯茎の厚みが増しているので歯肉退縮に対する抵抗力は上がっています。実際に組織の移植を伴う根面被覆術では、2年経過においてほとんど歯肉退縮の再発は見られなかったという報告もあります。

Q. リスク・副作用・合併症にはどのようなものがありますか?

基本的に外科手術において一般的な合併症が考えられます。出血、疼痛、治癒不全などです。

院長挨拶

昨今、高齢者の虫歯が増えてきています。その中でも歯根に広がる虫歯は進行を抑えることが難しく、入院などのイベントを期に爆発的に広がることがあります。その結果何本も抜歯になってしまう方もいます。こういった悲劇の背景には歯肉退縮があります。

日本人は特に歯肉や骨が薄く、歯肉退縮のリスクが高いと言われています。実際、歯根の虫歯が原因で抜歯をすることは日常茶飯事でした。そしてその度にやるせない気持ちになりました。ですが近年では歯周形成外科の発展により、ある程度安定して歯肉退縮に対応できる根面被覆術が広まり始めています。根面被覆術の良い点は歯肉退縮を改善できる点はもちろん、歯肉を厚くすることで歯肉退縮が再発しにくい環境を期待できる点です。人生100年時代、いつまでも自分の歯で食事を楽しむための強力なオプションだと考えています。
根面被覆術は歯肉退縮が軽度であるほど結果が良好になります。少しでも気になる方は是非下高井戸デンタルオフィスまでご相談ください。